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各  種  疾  患

  1アトピー・アレルギー
2自律神経失調症(鬱・パニック障害・痴呆症)
3癌
4潰瘍性大腸炎・過敏性大腸炎
5低血糖症
6その他



1.アトピー・アレルギー


アレルギー治療全般の考え方として、貧血・小腸免疫・甲状腺機能の問題があります。皮膚や粘膜だけの表向きの治療だけをしていても病態は一向に改善しないのです。アトピーの方の大半が貧血があり小腸免疫が弱く半数は甲状腺機能が弱いということをみなさんご存知でしょうか?  

さらに、細胞レベルでの話をすれば、細胞膜を作り上げる脂肪酸の質を変えることが治療の大きな方針になります。これらのことを踏まえて、食事の内容の見直しをしっかりとしなければなりません。具体的に言うと、トランス型脂肪酸で出来ているマーガリンやショートニングの入っているパン食はやめる、油は使わない、砂糖は料理だけにする、牛乳は絶対にのまないということが食事の基本です。漢方薬はその時その時の患者さんの状態により随時変方してゆきますが、血液を保ち精神を御してゆく(肝臓を守る)十全大補湯や柴胡剤などは緩和期に使います。ジュクジュクであれば超婢加朮湯などの利水剤を、気の巡りが悪ければ香蘇散などの利気剤または補中益気湯を、瘀血剤があれば駆瘀血剤を使います。かさかさの皮膚には皮膚を造る力のある四物湯などを使用します。ただ、アトピーの場合は甲状腺との兼ね合いがあり案外甲状腺を動かすとアトピーがとてもよくなることがあります。

鼻炎などのアレルギーは、主に利水剤を使いながら、根本的な瘀血もいずれは取り去るようなやり方です。小青竜湯、超婢加朮湯、大青竜湯等の加減を証に合わせてお出しいたします。また杉の花粉に対して反応がひどい方は一年くらいをかけて杉花粉の入ったドリンクや蜂蜜をたべていただきますと、翌年が非常に楽です。減感作療法のようなものです。ビタミンCの大量摂取も有効です。




2.自律神経失調症(鬱・パニック障害・痴呆症)


脳の中には毎秒10万回以上の化学反応が起こり、私たちが幸せになるためのホルモン物質であるエンドルフィン、セロトニン、ドーパミンなどが作られ作用し続けています。これらのホルモン物質が正常にバランスよく作られ体内で反応してゆくためにストレスと疲れを溜めないことが必要となります。若い方々の自律神経失調症も老人の痴呆症も結局はストレスが積もり積もって起きる病態のようです。一方、これらの病態に貧血が隠れていることを見逃せません。脳への酸素の運搬力は赤血球の丈夫さによるのです。虚血だと脳細胞は栄養不足となります。貧血の改善は必要です。十全大補湯や四物湯を使って造血力を強化しましょう。

 漢方薬には優れた安神剤というものがあります。柴胡加竜骨牡蠣湯や四逆散・半夏厚朴湯・抑肝散・香蘇散などは組み合わせ次第で非常に効果の高いものですね。抗欝剤との併用もまったく問題ありません。不眠やパニック障害にはセロトニンの調整をする冬虫夏草を使います。もともとセロトニンをきちんと整えてゆくためには「生活の規則性」が大切なのです。不規則な生活を送っていると、いつの間にか脳内ホルモンの調整が効きにくくなります。それはセロトニンの生成がバランスを崩すからだといわれています。お子様の成長に規則正しい生活が必要なのは実は脳の発達に必要な条件になるから、とも考えられますね。人間は生物です。お日様が上がると目が覚め、働いてお腹がすき、日が暮れると眠ります。この生物としてのバイオリズムにもう一度リセットし直してみてください。漢方薬を一日3回煎じて飲むというリズムも、積み重ねることによりセロトニンを整えるよい治療になります。大体半年から1年くらいを目処に服薬していただき調子を戻してまいります。この漢方を支えるために、神経ビタミンのB群や多量のビタミンCをお摂りになることをお勧めいたします。



3.癌


活性酸素の多量発生は細胞の癌化の原因だろうといわれています。ですから活性酸素を除去し、抗がん剤などで弱った脾臓を守り、免疫を上げてゆくことを目指して、補剤の十全大補湯や補中益気湯に三稜や没薬、紅豆杉などを合わせた煎じ薬をお飲みいただきます。同時に肝臓を強化して活性酸素を即効性で除去するR-リポ散やSOD食品、アガリスクなどのβグルカンなどを併用していただきますと、リンパ球の低下が防げます。堀口昇先生の開発なさったマイナスイオン器もお勧めいたします。



4.潰瘍性大腸炎

 潰瘍性大腸炎も過敏性大腸炎も悪玉菌が増えてしまい腸の環境が悪くなって発症します。血液で言うと白血球の中の顆粒球が増えている状態。その原因はやはり、ストレスと食事です。緊張が続いていると交感神経が優位になり白血球の顆粒球が増え始めます(リンパ球が減るという言い方もできます)。そうなると粘膜上で活性酸素が多量に発生し始めて、腸の組織に潰瘍を作ったり炎症を起こします。また、牛乳の飲みすぎや油物の食べすぎは確実に腸を弱らせます。日本人はラクターゼという酵素をあまり持っていない民族で、乳製品は得意ではないのです。漢方薬では出血がある場合、粘液だけの場合、腹痛がある場合と大体3つのステージに分けて処方を選びますが、基本的には「瘀血」と「炎症」を頭において治療をいたします。金銀花や蒲公英は大変有効です。また腸癰湯のような抗菌を目的にした処方を取り混ぜながら、出血があるようであれば芎帰膠艾湯、粘液が出るようであれば千金内拓散合桂皮茯苓丸、腹痛があれば平胃散などで対応します。潰瘍性大腸炎はいわば内臓のアトピーです。広がらないようにアトピーと同様のお食事の仕方、生活の仕方が大切ですね。

 



5.低血糖症(切れやすい人格)

 近頃の子供たちが切れやすいというその原因が、100%ジュースやスポーツ飲料、甘いお菓子などにあることをご存知でしょうか。空腹という感覚は血液中の糖が下がってきたときに脳がそれを受けて感じるものですが、たとえばお腹がすいて甘いジュースを飲んだりいっぺんにたくさんのご飯をたべたりすると血糖値は急激に上がってゆきます。そうするとすい臓からインシュリンというホルモンが多量に放出され今度は血糖値はまた急激に下がるということになります。ゆっくり下がったりあがったりではなく急激に、ということが問題を作ります。急勾配になるほど、すい臓は反応しやすくなるため、そのようなことを繰り返しているといずれはすい臓がんや糖尿病になってしまいます。しかし、その病気の前に、急激な血糖値の上下により、感情のコントロールがしにくい自分、になってしまいます。上機嫌と不機嫌を一日のうちに繰り返してしまい、やがては自己コントロールが出来ない自分になっていきます。また、夜中にお腹がすく、というのも低血糖症になっている人によくありがちなことです。夜中に血糖値が下がってしまい、もう我慢がならないような飢餓感に襲われます。治療では、私はまずはじめに低血糖症の状態を自覚していただき、それから、食事指導、そして、漢方薬は、できるだけ甘い漢方をお出しすることにしています。これを食間に飲んでいただくようにご指導いたします。習慣というのはそうなかなか変えられることはないのです。甘いものがほしいときは漢方を。初めはおいしい味の漢方薬を飲んでいただきやがては証に合わせたものに変法することもあります。補中益気湯や六君子湯はよい治療薬です。



6.その他

便秘や下痢でお困りの方、関節が腫れたり水がたまったりする方、糖尿病でお困りの方、頭痛がひどくて頭痛薬が離せない方、難病に苦しんでいる方と、たくさんの病気がこの世にはあります。しかし、いろいろな角度から弁証してゆく漢方の世界では病気の名前はあまり必要でない、というのが本当のところです。どのような病気の名前がつけられていても、つまりは調全体です。心も体も整える、のが目的になり、結果として、つらい部分が治められるということですね。毎月の「今月の病気」で随時さまざまな病態について述べてゆきたいと思います。